インビザライン矯正では、マウスピースの装着時間は1日20時間以上、理想は1日22時間以上と言われています。
しかし、装着が億劫でサボってしまったり、サボるつもりはなくても体調が悪くて装着できなかったりすることもあるでしょう。

マウスピースの装着時間が数時間守れなかった場合では特に問題はありません。ただ、毎日時間を守れなかったり1日中外していたりすると、以下のようなトラブルが起きてしまうことがあります。

マウスピースが浮いてしまう

マウスピースの装着をサボってしまうと、新しいマウスピースに交換した際、浮きが生じてしまうことがあります。
1mm程度の浮きであれば許容範囲ですが、浮きが1mm以上あるいは、1週間たっても浮いたままであれば計画通りに進んでいない可能性があります。
許容範囲内であればチューイーをしっかり噛んで密着させることが可能ですが、1mm以上浮いている状態であれば、担当の歯科医師に相談する必要があります。

治療期間が延びてしまう

マウスピースの装着をサボってしまうと治療期間が延びてしまう可能性があります。インビザライン矯正はマウスピースを装着することで歯に力を加えるため、装着していない時間は歯が動きません。
また、毎日数時間程度でもサボってしまうと、治療計画通りに進まず治療期間が延びてしまう可能性もあります。

治療前より歯並びが悪くなる可能性がある

インビザライン矯正では、歯を並べるスペースが足りないときは抜歯して確保することがあります。
そのような症例でマウスピースの装着をサボってしまうと、抜歯した両隣の歯が倒れて、以前よりも歯並びが悪くなる可能性があります。

サボってしまった時の対処法

そのまま様子をみる

1枚のマウスピースでサボった時間が数時間程度であれば、そのまま様子をみます。
1枚のマウスピースで動かせる距離は、1週間で約0.25mmと言われています。
1日に換算すると約0.036mmであり、数時間程度装着しなかった場合ではほとんど影響はありません。まずはサボらず、チューイーをしっかり使って装着するようにし、そのまま様子をみましょう。

マウスピースの装着日数を延ばす

1枚のマウスピースでサボった時間が1日程度であれば、マウスピースの装着日数を延ばすことで対処できます。1日程度のつけ忘れでは治療計画に影響を与えることはほとんどありません。
しかし、それ以上サボってしまうと治療計画にズレが生じたり、後戻りしたりする原因となってしまうため注意が必要です。装着日数を延ばした場合は、担当の歯科医師にその旨を伝えましょう。

追加のマウスピースを作製する

1枚のマウスピースでサボった時間が数日~1週間となってしまった場合、後戻りする可能性は大いにあります。
そのため、マウスピースを入れると浮いたり入らなかったりすることも。このような場合、計画通りに進めるのは困難です。担当の歯科医師に相談し、追加のマウスピースを作製して対処します。

きど歯科