日本で歯科矯正を行っている方の割合は、2割程度と言われています。
この割合は海外と比べても低く、中国やアメリカと比較してみるとかなり低い数値となっています。
日本人は、海外と比べてもともとの歯並びが特別良いというわけではありません。
歯並びが悪い割合は日本では6割程度で、アメリカと比較してもそれほど変わりがないのが現状です。
日本人は歯並びが悪いと自覚していても、なかなか施術に踏み切れない場合があるのだと考えられるでしょう。

歯科矯正に対し不安を持っている人が多いようです

日本人の歯科矯正の割合が低い理由に、歯科矯正に対し不安を持っていることが挙げられます。
歯科矯正は時間がかかるため、施術がツライと思っている人が少なくないようです。
ネガティブな印象を持っているため、本人に歯並びの悪さの自覚があっても、なかなか踏み切ることができないのでしょう。
一方でアメリカ人や中国人は、歯科矯正に対し良いイメージを持っている人が多くなっています。
施術によるつらさよりも、歯並びが矯正されたときの良いイメージのほうが勝っているため、施術に対して不安を持つ方が少ないようです。
日本人は6割以上の人が歯科矯正がツライと答えたのに対し、アメリカでは7割以上の人は歯並びが良くなってうれしいといったポジティブな印象を持っていることがわかっています。
これは中国人でも同様のことで、施術の不自由さよりも、歯並びが改善できたことをイメージしている人が多いのです。
日本人の多くが歯科施術にネガティブな印象を持ってしまうのは、装置が目立つこと、痛みを感じることなどの理由があるからです。
できるだけ装置が目立たないものを希望している方が多いようで、日常生活に支障が出やすいことから、歯科矯正を諦めている方が多くなっています。

日本では八重歯が可愛いと感じるのも割合が少ない理由です

海外と比べて日本人の歯科矯正への意識が低いのは、八重歯に対する考え方の違いでも影響が出ています。
日本人の若い女性は、5割以上の方が八重歯を可愛いと答えているようです。
八重歯が生えてしまうのは、顎が小さく育ち、歯が生えそろうスペースが足りないからです。
すると歯がデコボコになってしまい、ほかの歯よりも遅く生える犬歯が飛び出た形となります。
現代ではやわらかい物を食べる習慣が増えていることで、顎が小さく育つケースが多いようです。
その結果、八重歯になる人の割合も増加しています。
日本では可愛い印象の八重歯でも、海外ではネガティブなものとされています。
たとえば、アメリカで八重歯はドラキュラの印象を与えるとされており、中国ではトラの歯を想起させるとして懸念されているのです。
また、八重歯が生えれば歯並びが悪くなり、適切に歯を磨きにくくなることから、不潔な印象を持たれてしまっています。
八重歯は本人の体の不調にもつながる可能性があります。
歯並びが悪いことで噛み合わせが狂い、しっかり噛むことができません。
歯磨きができないことによって、歯周病や虫歯の原因にもなるでしょう。
八重歯は可愛いものという印象から、見た目や体にも影響を及ぼしていると認識が変われば、歯科矯正を行う機会も増えるかもしれません。

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