装置をつけたままのスポーツ

インビザラインで矯正をしている患者さんから、「インビザラインを付けたままスポーツをしてもよいですか」と、よく質問があります。

軽いジョギング程度であれば、マウスピースを装着したままジョギングしても大丈夫です。しかし、とても激しい運動や、歯を食いしばって力を出す必要のあるスポーツ、他の選手やボールと接触する可能性があるスポーツをする際は外した方がいいでしょう。また水泳をするときもマウスピースを外してください。

固定式装置の場合

固定式の装置(ワイヤー矯正)で矯正をしている場合は取り外しができないため、必然的に矯正装置を付けたままスポーツをすることになります。

そのため、スポーツをしている最中に他の選手との接触、ボールが当たった場合、矯正装置が外れてしまう、矯正装置によってお口の中を傷つけるといったトラブルが起きてしまうことがあります。

もし激しいスポーツをする方が固定式の装置で矯正をしている場合には、装置にワックスを付けたり、矯正装置の上から装着できるマウスガードを使用するなどの対応をすることで、怪我や装置の脱離を防ぐことができます。
マウスガードを使用することで、怪我の予防・軽減だけでなく、脳震とうの軽減、運動能力の向上も期待することができます。

噛み合せについて

次に、噛み合わせとスポーツのパフォーマンスの関係についてです。
姿勢維持は頭の位置に影響を受けやすいため、正しい姿勢を維持するために咬合・顎位が適切に保持されている必要があります。

スポーツをしている方のパフォーマンスは、平衡機能(身体バランス)の乱れや、変化によって運動の基本姿勢を崩れてしまうことで、低下してしまうと言われています。

身体の重心動揺軌跡が噛み合わせに影響されるかを、重心動揺計を用いて実験した結果、噛み合わせが良い人に比べ、噛み合わせが悪い人は重心動揺軌跡の値が高くなり、身体バランスが悪いという発表もされています。

また、噛み合わせの悪い人にマウスピースを装着し、上下顎の接触面積を増やし、顎位を安定させたところ、身体バランスの安定性が得られたという実験結果も発表されています。

このような実験結果から噛み合わせは、スポーツのパフォーマンスに影響を与えるということができます。

きど歯科