歯並びが悪いと虫歯や歯周病になりやすい?
デコボコとした歯並びは見た目の問題が大きく、なかなか笑顔に自信が持てないのではないでしょうか。歯並びの悪さは確かに審美性を大きく損ねてしまいますが、問題はそれだけではありません。歯並びが悪いことで、虫歯や歯周病といった、歯やお口の健康に悪影響を与えてしまうことがあるのです。
なぜ歯並びが悪いと虫歯や歯周病になりやすい?
歯の健康を守るのは毎日のブラッシングです。毎日の丁寧なブラッシングが歯の汚れや食べかすを取り除き、お口の中の清潔を維持することを目的としていることは、既によくご存じでしょう。
ところがデコボコした歯並びでは、歯ブラシの毛先が届きにくいため汚れが残ってしまいがちです。汚れが残っているとお口の中の細菌が食べかすの中にある糖分をエサにしてプラークを作り出します。プラークは細菌の塊で、白くネバネバとした粘着性の物質が歯と歯ぐきの境目に付着します。このプラークを構成する虫歯菌や歯周病菌が酸や毒素を出し、虫歯や歯肉炎、歯周炎などのトラブルを引き起こします。
このように、歯並びが悪いことでブラッシング不足を招き、その結果虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうのです。
虫歯と歯周病、どちらも歯を失うリスクが高い感染症
虫歯も歯周病も、そのまま放置すると歯を失う可能性がある病気です。どちらも細菌が原因である感染症で、虫歯はどの年代でも起こりやすく、歯肉炎は比較的若い世代、歯周病は30代以降によく見られます。
また歯並びが悪いと噛み合わせにも悪くなってしまいます。噛み合わせの悪さは一部の歯に余分な負担がかかり、局所的な歯槽骨の吸収に繋がる可能性があります。そのため歯周病になるスピードが速まり、早い段階で歯を失いかねません。
虫歯も歯周病も歯並びも悪さによって引き起こされることが多く、特に歯周病は歯槽骨が吸収されることで歯ぐきが痩せて隙間が生じ、その結果歯が傾斜してしまうこともあるなど、歯並びの悪さとお口のトラブルは相互関係にあると言ってもいいでしょう。
矯正治療の真の目的は、将来にわたる歯の健康維持
歯並びの悪さを改善したいと思う方のほとんどは、見た目が気になるからという理由だと思います。もちろん、歯並びが美しく整うと笑顔にも自信をもつことができることでしょう。しかし矯正治療の大きな目的は、歯並びや噛み合わせを整えることで歯磨きがしやすく、一部の歯に余計な負担をかけず、正しい噛み合わせを導くことです。つまり矯正治療は、将来にわたる歯の健康維持を真の目的としているのです。