矯正の痛みについて

矯正治療の痛みは大きく分けて2つ

矯正治療によって痛みを感じる原因は大きくわけて2つあり、歯が動く際に感じる痛みと、矯正装置が口の中を傷つけることによる痛みにわけられます。

歯が動くことによる痛みの原因と対処法

歯が動く時の痛みは特に何かを食べる際に感じることが多くあります。物を噛んでいない時は少し歯が浮いた感じがするくらいです。矯正をすると硬い物を食べることができなくなると言われるのはこのことが原因ですが、この痛みは長く続くことはなく、軽減していくことが可能です。
20年以上前に矯正をした方は痛みが非常に強くて大変だったという方の話を聞かれたことがあるかもしれませんが、これは当時の矯正に使用する装置の素材が原因であり、現在は大きく改善されています。

歯が動く時に痛みを感じるのはなぜ?

歯は歯槽骨で支えられており、この歯槽骨の中を移動します。移動する方向にある骨が吸収し、できたスペースに歯が移動、移動してできたスペースに骨が作られるということを何度も繰り返すことで歯は移動していくのです。移動する方向にある骨を吸収してスペースを作る過程で、プロスタグランジンE2という痛みの原因となる物質がでます。これが、歯が動くときの痛みの原因となります。

痛みが続く期間

矯正治療の装置を装着したばかりの頃は歯に力がかけられているなどの違和感がある程度で、痛みは感じることはほとんどありません。個人差はありますが、一般的には矯正装置を装着して3時間から6時間ほどで痛みを感じだし、翌日から翌々日にピークをむかえます。3日もすれば痛みはかなり緩和されていき、1週間もすれば痛みを感じることはほとんどありません。
また矯正治療は月に1回歯科医院で調整を行いますが、調整の度に3日から1週間ほどの痛みを感じます。しかし、徐々に痛みの強さも期間も小さくそして短くなっていき、3か月~半年もすれば調整後の痛みもほとんど感じなくなります。

痛みを軽減する方法

ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーで歯に力をかけることで歯を移動していきますが、ワイヤーの力が強すぎると痛みが強くでます。その際は、歯にかける力を弱くすることで痛みを緩和することが可能です。
また現在では治療初期の強い痛みを緩和するための、弱くて持続的な力をかけることができる形状記憶合金のワイヤーがあります。また、特に痛みを感じやすい方には一般的ではないですが、糸のように非常に細いニッケルチタンワイヤーやコバルトクロムワイヤーのような非常に弱い力をかけるワイヤーもご用意しております。

矯正装置が口の中であたることによる痛みへの対処方法

矯正装置が口の中であたって痛みがでる原因は3つあります。1つ目は矯正装置が頬の粘膜にあたる。2つ目はワイヤーが粘膜に突き刺さる、3つ目は矯正装置が舌にあたることです。それぞれの対処法を説明します。

矯正装置が頬の粘膜にあたって痛い場合の対処方法

装置が粘膜にあたって痛い時は、硬くて尖っているものが粘膜を傷つけているためです。そのため、硬くて尖っているブラケットなどを軟らかくて尖っていないもので覆うことで解消されます。

医療用シリコーン

最も一般的で矯正治療を開始した際、歯科医院で渡されることが多いものです。口の中を乾燥させてからブラケットを小さくしたシリコンで覆って使います。非常に軟らかく痛みの軽減効果が高い反面で、水分に非常に弱いため、食事などで簡単にとれてしまうという側面があります。

医療用ワックス

シリコンと比較するととれてしまうことが少ない優れものです。シリコンほど一般的に使用されませんが、矯正専門医院には置いてあることが多い傾向があります。シリコンをお使いの方ですぐとれてしまうことにストレスを感じている方は検討するとよいでしょう。しかし、シリコンと比較すると若干の硬さを感じます。またシリコンほどではないにしても、ある程度時間が経つととれてきてしまいます。
当院でブラケット矯正をされている方はこちらをお渡ししております。

デュラシール

とにかく頻繁にとれてしまうのは嫌だという方向けのものです。こちらはむし歯治療中の仮封剤として使用されることが多いのですが、シリコンやワックスと比べて耐久性が非常によくなっています。反面、一度つけると取ることが困難なため、どこの箇所にも使用することができるわけではありません。ブラケットについているフックやワイヤーの断面に使用することが多くなっています。

ワイヤーが突き刺さって痛い時の対処方法

矯正治療中に、歯が動くにつれてワイヤーが徐々に前に出てくることがあります。この現象は矯正治療の初期段階で歯並びの凸凹を治している時に頻繁に発生します。僅かに出ているくらいであれば、シリコンやワックスで覆って対処可能です。

矯正装置が舌にあたって痛い場合

これは主に舌側矯正で治療した時に起こる痛みです。
舌がブラケットに接触することで痛みを感じる場合が多く、比較的感覚が鈍い頬と違って、舌側矯正のブラケットにあたる舌は非常に感覚が鋭くなっているため、人によっては痛みに耐えきれないため、表側の矯正装置に変更される方もいます。
しかし舌側矯正装置も徐々に小さく改良されているため、昔ほど痛みを感じることは少なくなっていますが、いくら小さいといっても尖っているため表側の装置と比較するとある程度の痛みを我慢することが必要です。

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